銀行業界のカードローン自主規制について

カードローンと多重債務無担保で個人向けの貸し付けを行う銀行カードローンを巡り「多重債務の温床」「銀行のサラ金化」と批判が高まっている。

金利は高めだが、消費者金融と違って貸し付けの上限もなく、教育資金や冠婚葬祭で必要なとき、まとまった金を借りやすい。

だが、いつの間にか借金が膨らんでしまい、借金まみれにで債務整理や自己破産に追い込まれる人も少なくない。

 返済能力を超える貸し付けが目立ち、全国銀行協会は3月、審査の厳格化など過剰融資を抑制する対策を発表した。しかし、貸出残高はその後も増え続けている。

 このため金融庁は今月から、大手行や地方銀行など10行程度を対象に立ち入り検査すると発表した。
顧客の借り入れ状況を把握し、返済能力を超える貸し付けをしないという銀行業界の自主規制がどこまで機能しているかをチェックする。

 貸し付けの上限導入などの規制強化を避けたい業界は、盛んに自主規制の取り組みを強調している。

ただ、ゆうちょ銀行も個人向けの無担保ローンに参入、顧客の獲得競争は激しさを増すだろう。自主規制で足りるのか。政府は慎重に見極める必要がある。

 銀行は現在、貸金業者に適用されている貸し付けを年収の3分の1以下に抑える総量規制の適用外で、顧客の年収を問わず融資できる。

低金利下で利ざやが縮小する中、利益を得やすいカードローンは期待の成長分野として、各行がこぞって参入した。

 日銀によると、国内銀行の6月末時点のカードローン貸出残高は5兆6793億円に上り、この5年で約1.7倍になった。

一方で全国の裁判所に対する個人の自己破産申し立ては昨年、6万4637件。13年ぶりに増加に転じ今年も増加傾向は続いている。

 日弁連が昨年、カードローン絡みの債務整理153件について調査したところ、95件で貸金業者などの分も含め借り入れが年収の3分の1を超えた。

借り手の年収や借金を問わない貸し過ぎが横行、多重債務の広がりが懸念されるとし日弁連は銀行にも総量規制を導入するよう求めた。

 金融庁の検査によって当面、銀行業界は過剰融資抑制に力を入れるだろう。だが銀行が消費者金融に代わり無担保の個人向け貸し付けの主役となり、ニーズもある中で、過剰融資は既に構造的な問題になっている。早急に実効性のある対策を取るべきでしょう。

銀行業界のカードローン自主規制について